M's Diary -- 2001年11月上旬 --

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2001年 11月 2日 (金)

ここ数日のこと

_ 10/30 (火)

サーバのハードディスクが時々異音を発生するようになった。危なそうなので ディスク交換を決意。 Promiseの ATA RAID カード FastTrack 100 による mirroring が FreeBSD マシンでも 有効なことは経験したので、また 2 台買ってきて mirroring する方針。

_ 10/31 (水)

秋葉原へ行って買い物。

最後のは中古ソフト屋で購入。

淡路町まで歩いて丸の内線で四谷三丁目へ。 JUS 勉強会 (ume さんによる m4 を使った sendmail.cf の作成方法について) に出席。久しぶりに aki さんに会う。終了後は懇親会。帰りは新宿で 京王線終電にぎりぎり間に合わず、中央線で帰宅。

_ 11/1 (木)

午前中、サーバのハードディスク入れ替え作業。

サーバ清掃
自分の部屋で 24 時間運用してたマシンなのでかなり汚れてた。
M/B 交換
先日 asukaを Pentium Pro から Celeron にしたときに余った Pentium Pro M/B に交換。 今まで使ってた Intel の M/B より SIMM slot が多い (6 slot) ので 32MB SIMM でメモリ 192MB にできる。これで 16MB 以下の SIMM は全て第一線をリタイア。
電源交換
ケースに最初からついてきた電源のファンがうるさいので、余っていた ATX 電源に 交換。これで今は亡き Gateway 2000 日本法人から買った P6-200 マシンで 購入当時から使ってるのはケース本体と FDD だけになった。

今日の出来事

_ サーバメンテナンス (続)

サーバの電源が静かになった分だけハードディスクの音が気になるようになったので、 HDDのパーティションを切り直して HDD を一昨日購入した 2 台だけに変更。

作業にかなり時間がかかったので、昨日と今日の日中ずっとうちのサーバに 外部からアクセスできませんでした。ご迷惑をおかけしました。

_ Flets ADSL モデムとの接続

サーバマシンは Flets ADSL のモデムと PPPoE で接続してるんだけど、起動時に rc.network から起動される ppp だと *1失敗する確率がけっこうある。ほそかわさんも 書いている「NIC の 10/100 自動認識では不幸になるケース」らしい。 /etc/rc.conf で

ifconfig_fxp1="up media 10baseT/UTP"

を指定して ppp が起動される前に明示的に 10baseT で fxp を起こしてやると 多少はよくなるんだけど、やっぱり ppp の起動に失敗することがある。10baseT のみ対応の NIC を使えばいいらしいけど、そんな NIC を今更買いたくはないので ここ数日悩んでいた。

近くの PC ショップに行ったら 100baseTX の switch (5 port) が安く 売っていたので購入。

テストしてみると、 ppp の失敗は (何度か試してみた範囲では) なくなったみたい。


*1:login prompt が出た後ではほとんど成功する。


2001年 11月 3日 (土)

IPv6 ルーティング問題

現時点でのまとめ。

_ 経路が消える

ume さんから IRC で「v6 な HTTP サーバまだ落ちたまま?」と聞かれたので 調べてみると、 IPv6 な経路が消えてしまっている。 route6d *1を再起動して調べてみると経路が来たり消えたりを繰り返している。 ume さんによると a-gota さんとこでも同じ現象が起きたらしい。 route6d にログをはかせたり tcpdump したりして調べてみると、

ということのようだ。

_ RIPng vs BGP4+

ume さんによると、前にこの問題が起きたときは BGP4+ を使うと解決したらしい。 RIPng と BGP4+ とでは

RIPng
UDP 521 番 port 使用
全経路を broadcast
BGP4+
TCP 179 番 port 使用
最初に全経路を交換し、次回からは差分のみ

という違いがある。

_ 対処

IPv6 な経路が増えて RIPng では配りきれなくなってるかもしれない、ということで ume さんに IMASY から配布する経路情報を減らしていただいた。

結果は変わらず。経路が消える現象はまだ起きる。多少減ったような感じはする けれど...。


*1:FreeBSD 4-STABLE のもの。


2001年 11月 4日 (日)

FreeBSD

_ CVS IPv6

某所で anoncvs なサービスをするのに、 FreeBSD の CVS が IPv6 サポート していないのはいけてないという話になる。 FreeBSD の CVS は既に FreeBSD local な hack がいっぱい入っているので IPv6 patch 突っ込むよう 運動しよう、ということになる。

ume さんが書いた IPv6 patch をあてた CVS をインストールする portを作成。 pserver で IPv6 をサポートしている他は FreeBSD の CVS と同じに 動くはず。

_ IPv6 ルーティング問題

は IPv6 の default route を手動で IMASY に設定。 routing daemon 動かす 意味が半分なくなる *1けど、 BGP4+ に移行するまでの暫定処置なのでまぁいいか。


*1:上流に自分の経路を送信する役目は果たしているので「半分」。

今日の出来事

_ ハードディスク入れ替え

おうちサーバで 先日まで使っていたハードディスクのうち、壊れていないやつを Windows 2000 マシンに移植。 Windows の再インストールってやっぱり面倒 :-<


2001年 11月 5日 (月)

今日の出来事

_ ハードディスク入れ替え

昨日の続き。ハードディスクをいろいろ入れ替えて、かなりの騒音を出していた 14.4GB 7200 rpm の IDE を現役から外す。

_ CVS IPv6 patch

KAME でも CVS 1.11.1p1 の patch が作成された ( FTP) 模様。これが cvshome.orgに採用されるといいんだけど...。


2001年 11月 6日 (火)

フリーソフトウェアと責任

_ フリーソフトウェア

こちらの議論。

フリーであることと責任の問題は別次元の話なんですが、わかっていない人が 多いんですね。無償で引き受けた仕事とかサービスであっても責任は発生し、 何かあれば損害賠償の対象になります。

医者の場合なんか、飛行機や列車の中で急病人が発生したときに同乗していた 医者が手当てをして医療ミスをしたら医療過誤裁判の対象になります。 手当てをしたところで急病人も航空会社や鉄道会社も一銭も払ってくれないけど 責任だけは問われるのですね。

ボランティア活動で近所の子供の世話 (スポーツなど) をしている人、 老人や障害者の世話をしている人なども何かが起きれば責任をとらなければ なりません。「無償だから」「ボランティアだから」というのは理由にならない *1のです。

そこで重要になってくるのが、 契約で免責を定めておくということになるわけです。具体的にいえば、 契約書 (ライセンス条項) にちゃんと記述されているかどうかです。

_ 既存のライセンスの場合

例えば、 GNU の GPL では無保証であることについて ( GPL2 日本語版より)

無保証 ------ 12. 「プログラム」は無償で使用許諾されますので、適用法令の範囲内で、「プログラム」 の保証は一切ありません。著作権者やその他の第三者は全く無保証で「そのまま」 の状態で、且つ、明示か暗黙であるかを問わず一切の保証をつけないで提供するもの とします。ここでいう保証とは、市場性や特定目的適合性についての暗黙の保証も含 まれますが、それに限定されるものではありません。「プログラム」の品質や性能に 関する全てのリスクはあなたが負うものとします。「プログラム」に欠陥があるとわ かった場合、それに伴う一切の派生費用や修理・訂正に要する費用は全てあなたの負 担とします。 13. 適用法令の定め、又は書面による合意がある場合を除き、著作権者や上記許諾を受け て「プログラム」の変更・再頒布を為し得る第三者は、「プログラム」を使用したこ と、または使用できないことに起因する一切の損害について何らの責任も負いません。 著作権者や前記の第三者が、そのような損害の発生する可能性について知らされてい た場合でも同様です。なお、ここでいう損害には通常損害、特別損害、偶発損害、間 接損害が含まれます(データの消失、又はその正確さの喪失、あなたや第三者が被っ た損失、他のプログラムとのインタフェースの不適合化、等も含まれますが、これに 限定されるものではありません)。

FreeBSD の場合だと ( The FreeBSD Copyrightより)

本ソフトウェアは THE FREEBSD PROJECT によって, ”現状のまま” 提供される ものとします. 本ソフトウェアについては, 明示黙示を問わず, 商用品として通 常そなえるべき品質をそなえているとの保証も, 特定の目的に適合するとの保証 を含め, 何の保証もなされません. 事由のいかんを問わず, 損害発生の原因いか んを問わず, 且つ, 責任の根拠が契約であるか厳格責任であるか (過失その他) 不法行為であるかを問わず, THE FREEBSD PROJECT も寄与者も, 仮にそのような 損害が発生する可能性を知らされていたとしても, 本文書の使用から発生した直 接損害, 間接損害, 偶発的な損害, 特別損害, 懲罰的損害または結果損害のいず れに対しても (代替品またはサービスの提供; 使用機会, データまたは利益の損 失の補償; または、業務の中断に対する補償を含め) 責任をいっさい負いません.

というように「無保証」についてかなり長い規定が書いてあります。つまり、 利用者から責任を問われないためにはこれくらいの規定が必要*2だということです。

フリーでソフトウェアを公開する場合、ライセンス条項はきちんと考えたほうが いいと思います。「無保証」だけでは (たぶん) 不十分です。ライセンス条項について 弁護士に検討してもらうのは費用や手間の面で普通の人には難しいですから、 既存のライセンス条項を流用しておくのが無難でしょう。

_ 食品との比較

問題の記事の中で、

例えば総菜屋の店頭に「この総菜は自己責任でお食べ下さい」なんて書いてある のを見たことがある人はいるだろうか。もし食べて食中毒になってもそれは買っ たアナタの責任です、なんていうのは、日本の社会では通用しないはずだ。こう 書くとすぐ「市販商品とオンラインソフトは違う」という意見が出てきそうだが、 じゃあなぜオンラインソフトだけが“優遇”されてしかるべきなのだろうか?

と書いています。一見するともっともらしいのだけど、これは 食品が特別な存在であることを無視した乱暴な主張です。食品には食品衛生法という特別な法律があり、 製造・加工・販売について細かく規制がされているわけです。食中毒を起こす危険の ある食物を販売することは犯罪 (3 年以下の懲役または 20 万円以下の罰金) です。

そうした特別な規定がない商品については、 (製造メーカーの保証がついた) 新品から中古、そして動作保証がないジャンクまでさまざまな形で売られています。 それが普通なわけです。ソフトウェアが優遇されてなんかはいません。


*1:裁判などの際にある程度の考慮はされるようですが。
*2:実際には BSD Style License でもちょっと不十分で、できればもっと詳しく 書いたほうがよいというのが実情のようです。法律文書って難しい :-<


2001年 11月 8日 (木)

NetBSD

_ opendisk

lib/libutil/opendisk.cの rev 1.8 の変更のために NetBSD-current の make release が全滅状態。 vnconfig.cの rev 1.21 で一応の対策がなされたけど、 make release で使われる Makefile で

        vnconfig /dev/vnd0c

と block device を指定しているのが悪いから raw device を指定するように修正しろという話になってきている。でも、 block device を指定するのは vnconfig(8) でずっと記載されていた *1起動方法なので、いまさら raw device を指定しろと言われるのも 何となく抵抗があったりする。

_ make release

手元のマシン (i386 と sparc) で始めた make release が opendisk 関係で 全部失敗。 sparc については USE_NEW_TOOLCHAIN 対応になってから初めての make release 実行だったので、 vnconfig.c の patch をあてて対策。成果物は こちら


*1:昔のことは知らないけど、 4.3BSD では既にそう説明されてる。

今日の出来事

_ VMware

Windows 用 VMwareworkstation 3.0 を 2 ライセンス購入。なぜ 2 ライセンスも買ったのかは秘密

_ B Flets

先日 eAccessから Flets ADSLに変更したとき、 eAccess は 8M の ADSL への対応が発表されてたけど Flets はまだだった。「Flets もじきに 8M に対応するだろう」と考えて Flets に変えたのだけど、それは正解だった。

今日 Flets の Web を見に行ったら、うちの地区は既に光ファイバーの B Flets の提供が始まってることに気付いた。 8M ADSL は飛ばして光に移行することに なりそう。

でも、 B Flets で安価な固定 IPv4 アドレスのサービスを発表している プロバイダがまだないんだよね。 Wakwakは安いのだけど固定アドレスはまだ未対応。いいところが見つかったら B Flets を申し込もうかな。


2001年 11月 9日 (金)

Web 日記から

_ 製造物責任法とソフトウェア

こちらでソフトウェアの賠償責任について製造物責任法 (いわゆる PL 法) の条文を 引用されています。

PL 法の対象は「動産」であり、法律制定当時の政府見解では コンピュータソフトウェア単体では製造物責任法は適用されない*1ことが示されています。この点は学説でも異論なく認められているようです (参考: 内閣府国民生活局による製造物責任法の説明)。


*1:ただし、機械などに組み込まれたソフトウェアの欠陥は「機械の欠陥」として PL 法の対象となります。


以上、7日分です。